ときどき子連れ東京朝ごはん

喫茶店モーニングのパトロール活動記録

珈琲屋 うさぎ@TX浅草

6月某日訪問
珈琲(ストロング)450円、トースト250円


モーニングタイムをだいぶ過ぎた浅草界隈。モーニングメニューはない(というよりモーニングタイムに営業していない)が、風情ある暖簾のかかったファサードが印象的でずっと行ってみたかったこちらを訪問してみた。
木の引き戸を引いて入ると、カウンター席が5席にふたりがけ(だったと思う)のテーブル席が4席の小ぢんまりした店内。カウンターもテーブルも椅子も、カウンターの中の食器棚も、すべてが日本製木材って感じのどっしりした素朴なつくりで、カウンター内でひとりで切り盛りしているマダムの、筋の通った趣味の良さがうかがわれる。どこでもどうぞと言われたが、ひとりでテーブル席につくのも憚られ、女性3人がカウンターに座って話し込んでいる横に座った。
メニューはコーヒーと紅茶、そのバリエーションで全部で20種類もない。店名はコーヒー推しっぽいけれど紅茶にも力を入れているようで、様々な種類の紅茶がラベリングされてカウンターに並ぶ。フードもシフォンケーキとトースト2種のみ。オーソドックスなコーヒー2種類のうち濃厚なほうと、トーストをチョイスした。トーストはいつもならバター別添でオーダーするが、こちらではバターを塗って二度焼きしているとのことなので、バター控えめとバターなしを一切れずつをお願いした。するとわたしの意図を的確に汲み取り、「美味しいトーストは何も付けなくても美味しいですよね、両方味わってくださいね!」...こういう接客、とてもうれしい。さらに、せっかくなので少し強めに焼いてもらった。
注文を受けてお湯を沸かし、お湯をポットに移し替え、慎重にドリッパーに注ぎ入れてと、ものすごく丁寧に淹れられたドリップコーヒー。カップも「お好きなのを選んでください。お任せ?じゃあこちらにしましょうか」と素朴な海老茶の花柄のアンティークカップを選んでくれた。名前通りのストロングなコーヒーは、香りも味のバランスも絶妙!添えられたコーヒークリームを入れてもまたちがった味わいで、いずれも非常に美味しい。
4枚切り厚よりさらに厚い極厚トーストは、クラストは文句なくカリッと焼きあがっていてたいへん香ばしい。一方クラムはもっちりしてヒキがあり、何も付けなくてもむしゃむしゃ頬張りたくなる。もちろん芳醇なバター風味ともよく合う。今回控えめにバターを塗ってもらったけれど、普通量だったらジューシーでまたちがった美味しさなんだろうな。さらにバター付きの一部をシュガバタにしていたのを見て、「それをもうちょっと焼くとお砂糖が溶けてさらに美味しいかも、よかったらシナモンもかけますよー」と。なんという至れり尽くせりのサービス!さらにさらに「黒胡椒をちょっと挽いて風味をつけるのも美味しいんですよ、だからここに(ペッパーミルを)置いているの」と提案され、試してその美味しさにびっくり!こんな食べ方もあるのかぁ。プレーン、バター、シュガバタ、シナモン、ペッパーと、実にいろいろなバリエーションを堪能させてもらった。そういう提案って、パン自体に自信がないとできないと思う。ちなみにこちらで使用しているのは、特別なものではないが小売はしていない、業務用の無添加パンらしい。
マダムは下町っぽいなあなあ感はあまりなく、カジュアルさと上品さを兼ね備えており、でも基本的にはたいへん人懐っこく話し好き。そのへんの塩梅がまた絶妙で、その証拠にカウンターで仲良く話し込んでいた女性3人も、実はそれぞれ一人客で(もしかすると顔見知りなのかもしれないが)、マダムが話を盛り上げていたみたいなのだ。わたしもその輪に加わらせてもらい、ゆったりとした非常に居心地のいい、楽しい時間を過ごさせていただいた。
会計を済ませた帰りがけ、「こんなかんじで井戸端会議しているようなお店ですが、よかったらまたいらしてください。今日は貴重な時間をありがとう」と。なんと心温まる接客なんだろう。この価格でこの内容、そしてトータルでこんな時間を過ごせるなんて、もっと早く訪れればよかったと思う。ただ、子連れで行くには向かないな、このお店のこの雰囲気をぶち壊すことは、親のわたしですら(だからこそ?)憚られてしまうもの。

珈琲屋うさぎ喫茶店 / 浅草駅(つくばEXP)稲荷町駅入谷駅

昼総合点★★★★ 4.0