ときどき子連れ東京朝ごはん

喫茶店モーニングのパトロール活動記録

珈琲 音叉@神保町

10月某日訪問
モーニングセット(コーヒー、トースト、サラダ、スクランブルエッグ)650円


神保町と水道橋の間、日大経済学部のそばにある、とても印象的な名前の喫茶店。エントランスも内装もレンガが使われていて、新しいが風情ある趣だ。ダークな色調の店内はテーブル席が20席ほどにカウンター席が数席で、ものすごくスッキリ片付いていて大変品が良いが、BGMがJ-POPだったり、新聞がスポーツ紙のみだったりと、シックなイメージと異なる点もある。客層はビジネス客や地元の老婦人たちなど、バラエティ豊か。ラルフローレンのシャツを着た、愛想のない50歳前後と思われる寡黙なマスターがひとりで切り盛りしている。
9時から11時のモーニングは一択。バター別をお願いしたら「ウチはポーションないからできません」「塗らないで、そのバターを横に少し添えてもらえませんか?」「それはどういう目的ですか?」...そんなことを訊かれるとは思わなかった。せっかくなので詳しく説明させていただいて「ご迷惑なら改めます」と申し上げたら、「わかりました」と言ってもらえた。さすがに今回は、よく焼き/ドレッシング少なめを言い出せる雰囲気ではなく、死守ポイントのみで発注。
注文後にネルドリップでコーヒーを淹れ、卵を泡立ててスクランブルエッグを作り、ポップアップトースターでパンを焼きと、けっこう複雑な手順のモーニング。しかし、まず最初にフード類、間髪入れずにコーヒーを提供するという絶妙のタイミングで供された。そして「バター、こんなんでいいですか?」と。お気遣いありがとう。
コーヒーは少しだけ酸味が強めのバランスの良いブレンド。さすがに1杯ずつ丁寧に淹れられたコーヒーだけあって、温度も程よい。後から温めなおしたものってたいてい熱すぎると思う。添えられたピッチャーのコーヒークリームも濃度の高いちゃんとしたもの。(↓飲みかけです)


トーストは4枚切り厚の角食。味わい深くヒキのあるモッチリしたクラムで、喫茶店によくある廉価な業務用よりレベルが高い。焼き加減も、デフォルトでもわりとしっかり焼かれていて嬉しかった。ただし、4辺のうち2辺の耳が落とされていたことが残念。紆余曲折の末少量置かれたのは質の良いバター。
サラダはキャベツのみで鮮度も量も不満なしだったが、サウザンアイランドドレッシングの海からの救出がたいへんだった。クリーミーで存在感のあるドレッシングをこんなに入れたら、せっかくのキャベツの味がわからなくなると思うんだけど...わからなくする目的でドレッシングをかける人もいるかもしれないが。注文後に作られたスクランブルエッグは、火入れの絶妙な半熟トロトロで、スクランブルエッグというよりオムレツに近い。これはこれで大変美味しいし、あまりオイリーじゃないのもうれしい。卵自体は味付けされておらずケチャップのみ。
パン耳のことやドレッシングのことはお店の方針とわたしの嗜好がズレているだけで、コーヒーもトーストも美味しかったし、卵料理も良い出来だった。バターやコーヒークリームもちゃんとしていた。カトラリーも安っぽくなく、統一感があった。そして想定外のお願いにもかかわらず、ちゃんと対応してくれたことにも感謝したい。何も不満点はない。
でも、嗜好が明確にズレていて、わたしのお願いが「想定外」であり、価格的にも割高で、接客にもお店の雰囲気にもチャームポイントがない以上、再訪しようとは思えない。つまり、相性が悪いのかなんなのか、何も具体的な不満点がないのに居心地が悪かったのだ。やっぱり近くにあるCAFE Rijnに行けばよかったな。

珈琲 音叉コーヒー専門店 / 神保町駅九段下駅水道橋駅
昼総合点★★★☆☆ 3.0