枯れ喫茶で朝ごはん

都内中心に、喫茶店やカフェの朝ごはんやトーストあれこれ

北山珈琲店@入谷

いわゆるブレンドコーヒー 1,000円

実はうちのすぐそばに、コーヒーの超有名店がある。
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その名を北山珈琲店という。北山さんがやってる。
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とっても厳しい注意書き。ただただコーヒーをいただくためだけのお店だ。そこまで自信があるってことだから、やっぱり一度は訪れたい。ということで、ここから先、オールテキストです。

まずドアを開けるや否や職務質問。「入口の貼り紙はお読みいただけましたか?」はいと答えて入店を許された。もちろん否と言えば強制送還だ。

店内はオールドアメリカンな感じというか、コーヒー色というか。ジャズピアノが流れて年代物のピアノが置かれ、2卓あるテーブル席の横には麻袋が積まれ、カウンターには豆が並べられ古びた器具が飾られていて、椅子が3つ。

ひとりだからカウンターに座ろうとするとフロアに出ている男性(息子)が「テーブルにお願いします」 カウンターには年配というよりご高齢の北山さんがスタンバイしており、作業状況や器具は見せないように目隠しされていた。そこにも注意書き「通ぶってメモするのはお断り、うんちくも迷惑、コーヒーの味を楽しむだけにして、撮影禁止、云々」 メニュー表以外にもうひとつ、各卓に飲み方の指南もあって「一口目はブラックを味わって、半分になったら砂糖を入れて甘いコーヒーを楽しんで、クリームは混ぜずに浮かべて」 カウンターの古びた器具に近寄って見ていたら「あんまり近づかないで、遠くから見てください」

・・・丸腰で入店したらあとは黙っていればいいと思っていたのだけど、とにかく窮屈だし落ち着かない。ただ、ものすごく厳格なだけで、威張った感じはまったくない。とても丁寧な接客。

お勧めされたのは看板メニューの雅で、3,000円、濃厚冷製の雫が1,200円。ストレートは最高価格がブルーマウンテン13年ものでホット5,000円、アイス6,000円!最低価格が1,000円弱。ブレンドも1,000円からで濃厚バージョンは1,500円とか。アイスは300円~1,000円高い。淹れ方はすべてドリップ。
日和ってブレンド1,000円にした。

氷をピックで砕いて出された水がすごくまろやかで驚く。続いて粒の大きいのと小さいの2種類の砂糖と、氷の入ったお皿にヒエヒエのクリーム。
5分以上経って「もうすぐお持ちします」とアナウンスされてやってきたコーヒーは、ふつうのコーヒーカップにふつうの量だけど、中のコーヒーは漆黒。

ではいただきます。 カップに口をつけると、温度低め。すごい香り。

そして口に入れると「!!」なんでしょうこのマイルドな感じ。いちばん浅煎りのはずなのにものすごく重たく、でも角がどこにもない。 安いワインはアクとかエグみとかあるが、いいワインは円やかだ、というのが近いかな。飲み込んだ味もすごい苦くて濃いのだけど、透き通ってる。

ああ、今まで飲んでいたのはお薄の抹茶で、これはお濃茶だ。違う飲み物なんだ。 クラクラするほど奥行きがあって、向こうが見えないや。

強烈なカフェインで、ほんとにクラクラしてきました。 お勧めに従って残り1/3で砂糖を入れると、わたしの知っている世界に戻ってきた。クリームを入れるとさらに、とても美味しいふつうのコーヒーになった。

飲み終わって余韻を楽しんでいると「お下げしてよろしいですか?ちょうど1,000円になります」きっかり30分で退出を命じられた。 緊張感マックスの中で飲む異次元のコーヒー、なかなか貴重な経験をしました。